3年後、あの約束の続き
‐秋にポルトガル支社を立ち上げることになった。僕が社長に立候補した。
アキラは知っていると思うけど、僕はポルトガルとのミックスだし、奥さんもポルトガル人だ。
色々考えて、家族で渡ることにしたんだ


つまりエリックは、今のプロジェクトを離れてポルトガル支社の立ち上げに携わる。
その為に、どうしても章を帰国させる必要ある、と言うわけか。


‐ガブリエウと話していたらね、何とアキラの友人というので驚いたよ。
そしてアキラには、何とガールフレンドが居るというではないか!
いやぁ驚いたね。あのアキラが!

HAHAHA!!と大きな声で笑うエリック。

章が「やめろ」と言って窘めるが、エリックはまだクスクス笑っている。


‐それでね、これが僕からの提案だけど、マナミはポルトガル語ができるよね?
実はうちの会社には、ポルトガル語ができる人がほとんど居ないんだ。スペイン語ならそこそこ居るんだけど


そしてエリックは私を見つめて‐少し体を前に乗り出す。

まっすぐに私の目を見て、こう言った。



「Will you go to Portugal together?」

‐一緒にポルトガルに行かないか?
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