3年後、あの約束の続き
章と2人になった会議室。
空気が重く、沈黙が続く。


「あの、さぁ・・・」
何かを言わなければ、空気が重すぎる。



「えみ、俺達何年離れていた?何年離れ離れになっていた?」

章は目も合わせず、うつむきながら言う。


「10年ぐらい、だね・・・」


「会えない期間を入れると13年だ。
俺はこれ以上、離れている気はないよ。いくらなんでも離れすぎだ」

はぁっとため息を吐いて、ぼんやりと天井を見つめ始めた。


「凍結してたプロジェクトは、オスロ市内にホテルを作る計画だ。大手のホテルと組んで、 内装など全部をうちが手掛ける。
3年がかりのプロジェクトになるんだ。どっちにしろ、そのプロジェクトが終わると俺は日本に帰国するよ。最初からそういう契約だったんだ」


エリックの言っていた『3年』の意味。
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