3年後、あの約束の続き
「ガブリエウに言われたよ。『お前は呪いにかかっている。初恋の呪いだ』って。
俺もそう思う」

『初恋の呪い』
確かにぴったりな言葉すぎて思わず「はははは」と声を上げて笑ってしまう。

「でも呪いって大袈裟な」

「ようやく解けたと思ったんだけどなぁ。事件の元凶とも対峙したし。
でもやっぱり上手く行かないから俺は呪われてるよ、君に」


更にお腹をかかえて笑う私を見て、章は更に深いため息をついている。


私はしゃがみこんで、下を向く章の顔を覗きこんだ。

「大丈夫だよ。平均寿命まであと50年はあるんだから。そのうちのたった3年だよ。大丈夫だって」

私達がこれからも一緒に居るなら‐あと50年も一緒に居られる。
私はそれで、もう充分すぎるぐらいだ。
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