3年後、あの約束の続き
そう言った所で、橋本が章よりぐったりとして現れた。

「さっきスガちゃんから電話あって、Chrisの父親が既にこっちに向かっている飛行機らしい。
明日には着くから、強制送還なるってさ」

はぁ・・・と大きなため息をついて、うなだれている。

「橋本おつかれ。とりあえずアウトレットのバックヤードで休んでこれば?
今んとこ営業部にはバレてないし」

「ああ・・・助かる。原田さんにも報告行ってくるわ・・・」

はぁっと青い顔でまた大きなため息をついている。
「橋本、気にしなくていい。後はやっとく。橋本が悪いわけじゃないんだから」

そう言って橋本を送り出した。


「やけに橋本さんの肩を持つんだね」
橋本が去って行くと、章はそう呟いた。

「そりゃそうでしょう、橋本は何も悪くない。
一方的すぎる愛情は、ただの暴力です」

章は少し考えて
「・・・誰に言ってる?」

「さあ誰でしょうね」
そう言って背を向けて、仕事に戻ろうとする。


「ま、思いが通じ会えば、純愛になるんじゃないでしょうか」
1度だけそう言って振り返り、私は仕事に戻った。
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