散る桜
12


祖母は、近付いたらいけないと繰り返し、また野菜を切り始めた。

それ以上は何も教えてくれそうにない祖母の背中に、わたしはため息をついた。


忌地。


祖母は行くなと言ったが、むしろ消えてしまいたいと思っていたわたしは、祖母の言いつけも聞かず、翌日もまた、その場所へ出かけた。


「なんだ。今日も来たのか」と言って、その人が笑った。
< 12 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop