散る桜
14


夏の日影は容赦なく彼に突き刺さったが、彼は汗一つかかず、何事もないような、白く透明な肌をしていた。


人間ではない。

そのことが逆に、わたしを安心させていたのかも知れない。


「村のヤツに聞かなかったのか?」

彼は歌うように尋ねた。


「聞きました。ここはインチだから、近付いたらいけないって」

「なら、それが答えだ。お前はここへ来るべきではない」
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