散る桜
45


あの時の言葉を思い出すと、今でも胸が痛くなる。

わたしは何度、祖母に感謝を伝えることができただろうか。


「しいちゃんは、つらいことがあった時も、一人で乗り越えようと頑張ったのよね。でも、もう頑張らなくてもいいの。おばあちゃんが守ってあげる。だからもう、忌地へ行くのは、やめてちょうだい」

祖母はわたしを抱きしめて、小さな子供をあやすようにそっと、背中をさすった。
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