姉貴は俺のもの
「 …………… 」
承諾されず、ただ時間だけが過ぎるばかり。
早くしてよっ
イライラしてきて足を小刻みに震わせた。
_______あ、そういや確かこの人!!
「 私が逃げたら陸くんの失態になるんじゃない?
もし私が捕まっても、あなたの事は誰にも言わないから 」
総長さんに刃向かうほど、陸くんが自分より先に幹部になったことが気に入らず
陸くんの足を引っ張ることばかり考えてるって
聞いたことがあった。
「 っ、_____分かりました。
俺の後について来てください 」
やった!
陸くんが教えてくれた情報がある意味で役に立った。
陸くんを毛嫌いしてる人の後をついていけば、難なく家から脱出することができた。
「 じゃあ俺はこの辺で。 」
家の近所にある公園に着くと、辺りを見渡したその人は血相を変えて
体の向きを反対にさせた。
誰か知り合いの仲間でもいたのかな…
「 ありがとう! 」
あわてて後ろ姿にお礼を言う
当然返事はなく、しばらくすると公園に一人きりになった。
さて………どうしようか
ここまで来たのはいいものの、頼る当てもない私は
途方にくれた。
「 ______ま、何とかなるか! 」
私の本当の恋人も暴走族なんだし、きっと逃げ出した私を見つけ出してくれるはず
なるべく大通りに行こうと足を前に踏み出したのと同時に、
公園の道路脇に止められていた黒いバンから男の人たちが出て来た。
「 えっッ!! 」
も、もう陸くんたちにバレた?!!
早くない?!
あっという間に男の人たちに囲まれた私は、
声を発する間も無く口元に白い布を当てられ気を失った。