姉貴は俺のもの


「 将さん!」


「 あぁッ

 陸は佐賀さんと総長に連絡して、家にその子を連れて帰れっ。」



怖い顔つきで駆け出したかと思うと、私の横を素通りして将さんは男の後を追って行った。


「 美奈、立てるか?」


私の腕を掴んで立たせようとする陸くんの手を振り払う



「 ……美奈、?」


「 1人で大丈夫、触らないで。 」


眉を寄せて、私を見る陸くんの視線から逃れて言った。



あくまで真実には気づいてないフリをしなければならないけど、嘘つきなこの人に触らせる事だけはしたくない




「 と、とりあえず帰るぞ


それから話そう 」


焦ったような話し方に顔を背ける



話すことなんて何もない


「 ………美奈 」


陸くんの手にあるヘルメットを無言で受け取って被った。



そのままバイクの後ろに乗ると、家に帰るまでの間

わざと腕の力を抜いてなるべく陸くんの体にしがみつかないようにした。



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