となりの芝田は、青い。
ちょっと待ってよみんな。
いくらなんでも芝田を美化しすぎ。
「シャーペンでなく鉛筆使ってるんだよ? 休み時間にナイフで削ってるよ……!?」
原始的すぎるよね?
「器用だよねー」
「全体的に物持ちいいよね」
「…………」
知らなかった。
芝田って。
芝田って、モテてたのか……!!
衝撃の事実を知り唖然とするわたしをよそに、女子たちが続けた。
「うち、実は芝田と同じ塾なんだけど。私服お洒落だよ。オーラありすぎて近づけない」
「待ってそれ初耳。アンタの通い始めた塾ってかなりの進学塾じゃなかった? となり街にある」
「あー、うん。だから最初は同姓同名の別人かと思った。雰囲気違いすぎて。本気出せばすごい頭いいっぽい」
「じゃあいつものアレは先生からかって遊んでるってこと?」
「さあ。わかんない」
「どうしよう。ミステリアスな芝田くんマジ推せる」
そ……そんなバカな……。