となりの芝田は、青い。


ちょっと待ってよみんな。

いくらなんでも芝田を美化しすぎ。


「シャーペンでなく鉛筆使ってるんだよ? 休み時間にナイフで削ってるよ……!?」


原始的すぎるよね?


「器用だよねー」
「全体的に物持ちいいよね」

「…………」


知らなかった。


芝田って。


芝田って、モテてたのか……!!


衝撃の事実を知り唖然とするわたしをよそに、女子たちが続けた。


「うち、実は芝田と同じ塾なんだけど。私服お洒落だよ。オーラありすぎて近づけない」

「待ってそれ初耳。アンタの通い始めた塾ってかなりの進学塾じゃなかった? となり街にある」

「あー、うん。だから最初は同姓同名の別人かと思った。雰囲気違いすぎて。本気出せばすごい頭いいっぽい」

「じゃあいつものアレは先生からかって遊んでるってこと?」

「さあ。わかんない」 

「どうしよう。ミステリアスな芝田くんマジ推せる」


そ……そんなバカな……。



< 19 / 72 >

この作品をシェア

pagetop