秘密の会議は土曜日に
「何があったか話してくれないと、気になって帰せないよ。」
居酒屋さんの個室にて、閣下はビールを飲んで顔をしかめる。道ばたで泣いている私を不憫と思ったのか、近くのお店まで連れてきて下さった。
「ですが閣下は弊社にとってお客様ですから、お話しできないこともあるんです。」
エヴァーグリーン向けの対応で怒られたことなんて、閣下には話したら契約に影響しかねない。
「今は仕事してないから『弊社』とか『御社』とかどうでもいいよ。
それより、あれだけ言っても結局『閣下』って呼ばれる方が気になるんだけど……。敬語も直ってないし」
「今日は金曜なので規定外です。閣下のルールでは土曜日は敬語禁止なのであります。」
「……わかったよ。確かにあと二時間は金曜だな。早く話さないと土曜になるから、全部タメ口で話してもらうことになるよ。きっとまた違反回数が増えるな。」
「うっ……。」
どう抗っても私が閣下の命に背くなんてことはできるはずもなく、結局は今日会社で起きたことを洗いざらい白状することになった。
「……もっと空気読んでと課長に言われまして、何をどう読むのが正しかったのか、全く分からないんです。」
「そういうことか。」
閣下は思案する様子でお刺身盛り合わせを召し上がっている。他にも牛タンのあぶり焼きとか、野菜のせいろ蒸しとか、美味しそうなものが目の前に並んでいる。
私にも勧めてくれるけど、いつも食欲だけは衰えないはずなのに今は何も食べる気がしない。なので食べるかわりに梅酒ソーダを口に含んだ。
「空気なんて曖昧な言い方してるけど、そこで言われてるのは、課長と吉澤さんってヒトの個人的な損得だな。
二人とも、自分が損したくないと主張してるだけ。上司としては終わってるな。」
居酒屋さんの個室にて、閣下はビールを飲んで顔をしかめる。道ばたで泣いている私を不憫と思ったのか、近くのお店まで連れてきて下さった。
「ですが閣下は弊社にとってお客様ですから、お話しできないこともあるんです。」
エヴァーグリーン向けの対応で怒られたことなんて、閣下には話したら契約に影響しかねない。
「今は仕事してないから『弊社』とか『御社』とかどうでもいいよ。
それより、あれだけ言っても結局『閣下』って呼ばれる方が気になるんだけど……。敬語も直ってないし」
「今日は金曜なので規定外です。閣下のルールでは土曜日は敬語禁止なのであります。」
「……わかったよ。確かにあと二時間は金曜だな。早く話さないと土曜になるから、全部タメ口で話してもらうことになるよ。きっとまた違反回数が増えるな。」
「うっ……。」
どう抗っても私が閣下の命に背くなんてことはできるはずもなく、結局は今日会社で起きたことを洗いざらい白状することになった。
「……もっと空気読んでと課長に言われまして、何をどう読むのが正しかったのか、全く分からないんです。」
「そういうことか。」
閣下は思案する様子でお刺身盛り合わせを召し上がっている。他にも牛タンのあぶり焼きとか、野菜のせいろ蒸しとか、美味しそうなものが目の前に並んでいる。
私にも勧めてくれるけど、いつも食欲だけは衰えないはずなのに今は何も食べる気がしない。なので食べるかわりに梅酒ソーダを口に含んだ。
「空気なんて曖昧な言い方してるけど、そこで言われてるのは、課長と吉澤さんってヒトの個人的な損得だな。
二人とも、自分が損したくないと主張してるだけ。上司としては終わってるな。」