秘密の会議は土曜日に
「檻!?」


私は檻に入れられて皇帝・高柳さんによる粛正を受けることになるんだろうか?


誰かが噂していた、滅多切りというヤツ!悲鳴を聞いたキューちゃんが無邪気にも「ヤラレル!」と繰り返していたっけ……。


「たたたた高柳さん?」


本棚に背中を預けて高柳さんの絶対零度の視線を受け止めると、背筋がゾクッと冷えた。私が動けずにいる間に高柳さんの顔はぐっと近くに迫り、もう少しで高い鼻筋と触れてしまいそうな距離になる。


「まず一つ、男を惑わすような服で仕事するな。」


凄く怖いけどこれは服装の注意ということ……?

さすが高柳さん、風紀には人一倍厳しい。


「はっ!エヴァーグリーンのドレスコードを今一度見直させて頂きますっ!」


「……違う」


高柳さんの手が首筋をつたって背中に回る。只でさえゾクゾクと冷えた背中がさらにビクッと凍りついた。


「ひゃっ……」


あのフワフワモコモコのロングカーデを着ていれば暖かくて背中も隠れていたんだけど、残念なことに今は席に置いたまま。


高柳さんは末端冷え性なのか、冷気のオーラでもまとってるのか指先が冷たい。身を捩るとスカートのスリットが広がってさらに脚まで冷える。


そういえば店員さんが言っていたっけ。

「ワンピ単体だとお背中と足のスリットが気になるって時はー、上に羽織っちゃうと楽ですよ。一枚で着ると大人の雰囲気だからデートでもコンパでもイケますから。」


上に羽織ると楽、の部分しか意識してなかったけど、一枚で着ると高柳さんに怒られる仕様になっていたとは。


「お見苦しくてすみませんっ」


「見苦しくはない、そういうのは俺の前だけにしろと言ってるんだ。」



そう言えば前にプロマネだからと言って私の服装をどうこう言う権限なんか無いって言ってたような……?

今の話と矛盾しているような気がしたけど、今度は指先が顎にかけられて考えている余裕が無くなった。


「二つ目、いつの間に敬語も無しで普通に話せるようになった?

俺がどれだけ言っても、全人類に敬語使ってるから無理とか言ってたよな。」
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