はっぴーえんど。
あ!!そうだ!!
あれあげよう!!

これは名案…!
樹くん、絶対喜んでくれる!
私はにやける口元を抑えながら、文房具店へ向かった。




「ふふっ。いいもの買えた〜。」
私は上機嫌のままい家路を急いだ。
家帰ったら早く準備しないと…!

家の近くまで来た時、聞き慣れた声がした。
「無理よ。」
…お母さん…?
私は反射的に裕太の家の塀に隠れる。
泣きそうな声。少しだけ震えていた。

「そんなことない…俺は…」
低い男の声だった。

「鈴のためだと思って…我慢して欲しいの…。せめて、あの子が独り立ちするまでは…」

え?私…?独り立ち…?
今すぐ、その場に飛び出したかったけど、足がすくんで動かない。





「だから…あの子のためには私たち、また
夫婦になっちゃいけないのよ。鈴があなたの足を見る度に思い出すのよ…そんなの耐えられない…。」



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