はっぴーえんど。
動け…!
動けよ…!

……鈴が見てるんだよ…!!


あ、そうか…俺、泣きそうなのか…。
世界が涙で少しぼやける。

「ゆうたぁぁぁぁぁっ!なにつったってんの!時間ないんだよっ!!」

いつも比較的おとなしい君の声が体育館に響き渡る。
君の方を振り返る。
どうやら、彼女は体育館中の視線を集めたようだった。

でも、俺の足は軽く、どこまでも動く。

俺は鈴の方を見て
「ありがとう。」
口パクで伝えた。

そして、俺はもう一度走り出した。
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