私と貴方

···人として狂ってる


柚子はな
「始めからお互いに気持ちもなく
流れで一緒にいて
子供を授かり結婚しました。

螢斗さんは、責任から結婚を
したのかもしれませんが。

でも、子供達を囲んで
笑いあいながら過ごした時期も有り
私は結婚して良かった。
螢斗さんがお相手で良かった
と、思っていました。

ただ、やはり、見えない溝は
段々と大きくなっていたんだと
思います。
杉田のお義父さん達には
可愛がって頂いたのに
こんな形になり申し訳ありません。
そして
お父さん、お母さん
こんな事になってごめんなさい。
郁斗や杏を巻き込んでごめんね。」
と、言って皆に頭を下げていた。


「俺は、あんたが初めて家に来た時
柚子に対しての愛情を感じなかった。

柚子を見るあんたの目に
何も感じなかったからだ。

だがな。
お前は柚子と結婚したんだよ。
郁斗や杏の父親なんだよ。
妻や子供に責任を持つのが
夫であり、父親なんじゃないのか
初めから嫌なら結婚しなければ
良かっただろ
柚子が自分に合わないなら
そう言って離婚したら
良かったんじゃないのか
こんなふざけた真似を
しやがって!!

俺の妹はあんたの家政婦でも
奴隷でもないんだよ!
一人の女性なんだよ!
人を物みたいに扱うんじゃない!!
人間として、あんた狂ってるよ。

あっ、それと
柚子は、あんたには何も伝えることも
言うこともない、とさ。」
と、言うと義兄は玄関に向かう

俺は
「お義兄さん、
柚子には、もう会えないのでしょうか?」
と、言うと
義兄はゆっくり振り向いて
「俺は、あんたみたいな奴の兄じゃない。
それと、柚子はあんたに会いたくない
と、言っている。
杉田の御両親も会う必要ないと
言っていた。」
と、言うと玄関を出ていった。

俺が、玄関内に佇んでいると
「ああ、柚子か?
全て、終わった。
ああ、うん、わかった。
お前のやりたいように。
ああ、幸せになれ、柚子。」
と、外で言っている
義兄の声が聞こえた。
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