なれたなら。ーさよなら、私の大好きな人ー
「そ。ほら見て!
センパイめっちゃ可愛かったんだから!」
夏生センパイと撮った写真を見せると、深侑はいつも見せない笑みを浮かべた。
何よ、その顔。
まるで愛しい人を見るような目は。
心にできたモヤモヤを隠していつも通りに話を続けた。
「…センパイ、深侑のこと心配してたよ。
最近寝れてないんじゃないかって」
センパイは深侑が寝不足なのは「きっとお姉ちゃんの命日が近いから」だと言っていた。
でもアタシはすぐに違うと思った。
深侑はきっと……
「……心配なんでしょ?
夏生センパイが一人で悲しんでいるんじゃないかって」
「………」
一瞬だけアタシを見て視線を外した。
これは図星というサイン。