なれたなら。ーさよなら、私の大好きな人ー
「茜の分まで自分がしっかりしないとって思うのは分かるけど、傷ついた心まで隠しておく必要はないんだよ?
こういう時は素直に泣いていいんだ。
大丈夫。ここには僕と茜しかいないから」
「……っ!ありが、と…つばさくっ…」
お姉ちゃんのことで泣いたのはこれが初めてだった。
お姉ちゃん、寂しいよ。
どうしてこんなに早く遠くに行ってしまったの?
一緒にしわくちゃになるまで生きていきたかったのに。
まだお姉ちゃんとやりたいこと、話したいことたくさんあるんだよ?
「…おねえ、ちゃん…っ…ふっ、おねえちゃ…ん…っ」
泣きながら何度もお姉ちゃんと言いながら私はただただ翼くんの腕の中で泣いた。