なれたなら。ーさよなら、私の大好きな人ー




涙を拭っていた手が頬を包んで上を向かされる。




「…まだ夏生の口から夏生の気持ち聞いてない」


「え、あっ……!」




確か私、手紙に深侑が好きとか書いた気が……!




もう深侑には会わないつもりだったから書いたけど、それ読んだってことだよね!?




私が深侑のことを好きだって、深侑は知ってるはず……!



もしかしてわざと言わせようとしてる!?
恥ずかしくて顔を逸らしたいのにガッチリと頬を固定されて動かせない。




……私のこの気持ちは伝えてもいいの?




お姉ちゃんが言ったことは真実じゃなかったけど、私のせいでお姉ちゃんがいなくなってしまったのも事実で。




そんな私が幸せになってもいいの?




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