なれたなら。ーさよなら、私の大好きな人ー




そんなところに小さな救世主が。




「ママ!おみずやったよ…あ!パパ!おきた!
パパおはよー!」


「…わ、夕菜…全く、おはよ」




こうやって三人でぎゅっと抱き締め合って、私達の一日が始まる。














「…ふんふんふーん!とうちゃーく!」


「あ、夕菜!転ばないようにね!」


「だいじょーぶ!」




そう言って去年は転んでたじゃない…




すれ違う人にちゃんと挨拶をしながら目的地まで走っていく夕菜。




今にも転びそうな足取りをしている夕菜を心配そうに眺めていると、隣に深侑がやってきて私の肩を抱いて引き寄せる。




「…俺たちもいこっか」


「…うん」




花屋で買ってきた花を手に夕菜の後を二人で歩いた。




「パパ!ママ!おそい!
あかねおばさんまってるよ!」


「ごめんごめん。
お姉ちゃんお待たせ」




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