キライ、じゃないよ。
悪友からの辛辣な指摘に愕然とした。


「お前にとって皐月は、きっと特別なままなんだ。傷つけた相手だから。……だから皐月に似た女に無条件で優しくしちまう。それも無意識でだ。でも相手は自分が特別だと思っちまう。付き合って欲しいと言われてホイホイ付き合うしな?でも、お前は気付くんだ。相手は皐月じゃないって。それで愛想尽かされて、結局別れる」

「そんなこと……」

「ねぇって言えるのか?」


バッサリと切りつけられるように言われて口籠る。

自覚ないんだから、返す言葉もない。

ただ、山近の言うように今迄の彼女達とは、付き合う時も別れる時も全て相手からだった。

自分の意志で動いたことなんてない。

別れる時も、追うことなんて考えなかった。いや、逆にホッとしたのを覚えてる。


「同窓会はいい機会だと思うんだよ。俺はもう一度香とやり直したいと思ってる。やっぱりアイツ以外にこれから先一緒にいたいやつなんていないって分かったからな。……お前はどうなの?」


いつのまにか山近が持ってきたビールは最後の1つになっていた。

それを山近から引き取りプルタブを押し上げ、あおるように飲み干す。


「おれは……」


呟いて、ギュッと目を瞑る。

瞼の裏、思い浮かんだのは無邪気な笑顔。

高校の時、いつだって傍にいた……おれの初恋の女の子の満面の笑顔だった。


< 23 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop