キライ、じゃないよ。
「……原川さん、樫と連絡取り合ってるんだね?」

「えぇ。この間の同窓会で教えてもらったから時々電話してるの。あの日もカラオケの後送ってもらってね。樫くんって相変わらず優しいよね」


優しいよね、といった声が、心なしか甘く響いた。

見れば頬が少し赤い。

彼女が高校時代樫に告白をしたことは知っていた。

あの頃から派手で美人だった原川さんは、同級生の男子だけじゃなくて先輩たちの間でも噂になっていた。

樫に振られた後すぐに3年生の先輩と付き合い始めたと聞いたけれど、まだ樫のこと好きだったんだろうか?


「皐月さんは?あの頃樫くんと仲よかったよね?同窓会で再会してから会ったりしてるの?」


なぜか探るような視線が痛い。


「私は……別に会ってないし、連絡だってしてないよ」

「そうなの?まぁ、あの同窓会で樫くん沢山のコと連絡先交換したじゃない?翌日メールの数がすごいからって、ブロックしまくったって言ってうんざりしてたわ。おかしいわよね」


そんな話までしてるんだ。唯一ブロックしなかった相手が原川さんなんだろうか?

原川さん派手だけどあの頃よりもっと綺麗になったもの。

彼女に惹かれるのも無理ないよね。

原川さんと話していると気が滅入って仕方がなかった。

早くこの場を離れたいと思いながら、曖昧に返事をしていた。


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