総長様の復讐
「凛ーーーー」



近づく唇が、頬に触れた。



涙をぺろり、と舐めた実の兄に



一瞬、本当に一瞬ドキドキした。



「俺は、凛が好きなんだ。


だから、一緒には居られない。


わかるよな?」



わからないわけじゃない。



私が想う好きと、お兄ちゃんが、想う好きはきっと違う。



「わたしも、お兄ちゃんが好きだよ」



案の定、私の言葉に歪むお兄ちゃんの顔。



うん、知ってる。


お兄ちゃんの好きはーーー


「それでも、私はお兄ちゃんの側に居たい」




わたしの本当の気持ちだよ。


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