彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



ぎゅうぎゅう状態で身動きも取れず、足先だけで歩くので精いっぱい。



「なんだよあれ!?せっかく、凛道さんを見れるチャンスが~!」

「鉄壁のガードじゃんか!?デカい奴が囲んでるから、凛道さん見えねぇぞ!?」

「くっそ~!凛道さんのインスタ上げれば、フォロワー増えるの確実なのに!」

「生画像なら、高値で取引できるのによぉ!」



周囲から私の・・・凛道蓮の顔が見えないことへの苦情がささやかれていたが、そういうことならこれでいいのかもしれないと思う。

思うことにしたけど・・・



(つま先歩きのまま、場所取りしたとこまで行かなきゃダメなの・・・?)


どんな修行なのよ、これ?


「凛、大丈夫か!?」

「瑞希お兄ちゃん!」

「ちゃんと歩けてなくないか!?ちょっとこっちに出て来いよ!」



私のピンチを察して、好きな人が救いの手を差し伸べてくれたが・・・



「大丈夫だろう、瑞希。」

「獅子島さん!?」



ここでまさかの妨害が入る。



「肉の壁として、凛道はガードされてる。あまり心配するな。」

「けど!」

「助けろともいっとらん気にするな。」

「そうっすよ、瑞希先輩!さあ、行きましょう!さあさあ!」

「お、おい、大河!?」

「ちょっと円城寺君!?」



私を気にする瑞希お兄ちゃんを引き離し、グイグイと引っ張って連れて行く総長代行。

先に行ってしまう。



(どっ・・・・泥棒―――――――――!!)



〔★瑞希は没収された★〕



「ふん、他愛もない。」

「お前は大人げねぇーよ。幡随院達みたいに、凛たんにくっつけないからって、言葉巧みに凛たんから瑞希を引き離しやがって・・・」

「くっくっ!馬鹿言うな・・・なんのことやら・・・」

「わはははははは!腹黒いな、伊織!」

「お待たせ~車置いてきたわよ~・・・って、凛ちゃんモテモテじゃない!?あぁん、押しつぶされてる凛ちゃんも可愛いわ~!記念撮影、記念撮影♪」



合流したモニカちゃんは、助けてくれるわけでもなく、私にチョキを向けて楽しそうに撮影してる。

自力でも、他力でも、抜け出すのは無理かもしれない。



(悪気があってしてるわけじゃないからな・・・)


ちょっと様子見よう。



〔★凛は妥協を選択した★〕



< 18 / 534 >

この作品をシェア

pagetop