彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
ぎゅうぎゅう状態で身動きも取れず、足先だけで歩くので精いっぱい。
「なんだよあれ!?せっかく、凛道さんを見れるチャンスが~!」
「鉄壁のガードじゃんか!?デカい奴が囲んでるから、凛道さん見えねぇぞ!?」
「くっそ~!凛道さんのインスタ上げれば、フォロワー増えるの確実なのに!」
「生画像なら、高値で取引できるのによぉ!」
周囲から私の・・・凛道蓮の顔が見えないことへの苦情がささやかれていたが、そういうことならこれでいいのかもしれないと思う。
思うことにしたけど・・・
(つま先歩きのまま、場所取りしたとこまで行かなきゃダメなの・・・?)
どんな修行なのよ、これ?
「凛、大丈夫か!?」
「瑞希お兄ちゃん!」
「ちゃんと歩けてなくないか!?ちょっとこっちに出て来いよ!」
私のピンチを察して、好きな人が救いの手を差し伸べてくれたが・・・
「大丈夫だろう、瑞希。」
「獅子島さん!?」
ここでまさかの妨害が入る。
「肉の壁として、凛道はガードされてる。あまり心配するな。」
「けど!」
「助けろともいっとらん気にするな。」
「そうっすよ、瑞希先輩!さあ、行きましょう!さあさあ!」
「お、おい、大河!?」
「ちょっと円城寺君!?」
私を気にする瑞希お兄ちゃんを引き離し、グイグイと引っ張って連れて行く総長代行。
先に行ってしまう。
(どっ・・・・泥棒―――――――――!!)
〔★瑞希は没収された★〕
「ふん、他愛もない。」
「お前は大人げねぇーよ。幡随院達みたいに、凛たんにくっつけないからって、言葉巧みに凛たんから瑞希を引き離しやがって・・・」
「くっくっ!馬鹿言うな・・・なんのことやら・・・」
「わはははははは!腹黒いな、伊織!」
「お待たせ~車置いてきたわよ~・・・って、凛ちゃんモテモテじゃない!?あぁん、押しつぶされてる凛ちゃんも可愛いわ~!記念撮影、記念撮影♪」
合流したモニカちゃんは、助けてくれるわけでもなく、私にチョキを向けて楽しそうに撮影してる。
自力でも、他力でも、抜け出すのは無理かもしれない。
(悪気があってしてるわけじゃないからな・・・)
ちょっと様子見よう。
〔★凛は妥協を選択した★〕