彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



合流した私達は、みんなで屋台が並ぶ道を歩く。

この花火大会には、『菅原凛』も来たことがあった。

その時は人で込み合い、歩くだけでも大変だったのだが・・・



「ねぇ、あれって・・・」

「うわ・・・マジだ・・・」

「間違いないよな?」



今年、凛道蓮として初めて参加したところ、いつもとは違っていた。

すれ違う他人を気にして歩くことはなかった。

むしろ、行きかう人達が道を作ってくれた。

というよりも・・・



「ママーなにあれ?」

「見ちゃいけません!」

「あっちから行こう・・・」

「関わらない方が良いって。」

「噂の龍星軍よね・・・?」

「やだ、怖―い!」



周りの人達はみんな、私達をよけるように道の端に寄ってくれていた。



(さけられてる・・・?)



それだけでもダメージがあるのに、じろじろと見られているような。



(見世物になっている気がする・・・)



〔★さらし者ともいえる★〕



世間の目を受けながら歩けば、その視線に気づいた仲間達が騒ぎ出す。



「オラー!何見てんだコラッ!?お前ら、凛さんを見てただろう!?」

「勝手に、龍星軍4代目を撮影しないでくださいね♪」

「うはははは!凛を撮るなら、わしにしてぇー!!」

「リンリン、ケバブ食べるぅ~?買ってあげようかぁ~?」

「そっとしといて頂けませんか!?」



友達が目立つことをするので、ますます注目を浴びてしまう。



(ただでさえ、瑞希お兄ちゃんと離れて歩くはめになってるって言うのに!)



恨めしく思っていれば、好きな人をかっさらった円城寺君の声がした。



「瑞希先輩、屋台で何か買っていきましょうよ?」

「あーそうだな・・・凛!何が良いー!?」

「え!?」

「ちょ、瑞希先輩!?」



戸惑う円城寺君の声と、私の心臓の鼓動が重なる。

はるか前方を歩く瑞希お兄ちゃんが、私に問いかけてきた。

ただし、目の前に可児君がいるので、彼のお姿は見えない。

それでも気にかけてもらえるのが嬉しかった。



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