彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



「アリガトウ、ヤサシイヒト。」

「へ?」



私の手をにぎりながら、可愛い女性が言ってくる。



「ボキン、アリガトウ。アリガトウ。」

(まだしてないよ。)



そう思いつつ、このまま黙って払うのは癪なので聞いた。



「どこの団体の方ですか?団体名を教えて下さい。」



ユニセフにしては、やってることが雑すぎる。

私の問いに、女性は苦笑いする。



「あ~チョット、ニホンゴワカラナイ。アナタ、コトバ、ムズカシイ。アリガトウ、アリガトウ。」

(怪しい・・・・!!)



ありがとうってお礼を言われても、まだなにもしてない。

何かしなくちゃという気になる。

募金をしなくちゃという思いになってしまう。

お金を出さないといけない空気になってきてる。



「身分証明書を見せて下さい。パスポートでもいいです。Passport Please?」



通じるかどうかわからないけど、英語で提示を求める。

それで私の体から離れる女性。

そのまま、モニカちゃんといた男性の方へと行く。

母国語らしい言葉で、男性と何か話す女性。

今度は、男性が私の方へやってくる。

そして、カバンから取り出した紙を私に見せた。



「ワタシタチ、ダイジョウブデス。キョカトッテマス。オマワリサンモ、キョカシテマス。」

「これは・・・!?」



見せられた紙には、近くの警察署の名前が書かれた許可証だった。

日本警察のマークが印字されてるのでウソとは思えない。



「じゃあ、ちゃんと許可はとってるんですか・・・?」

「トッテル!シンジテ!ワタシニホンジンダイスキ!」

「ニホンジン、スキスキ!」

「その子、ハーフよ。」



私を褒める男女に向かって、突然モニカちゃんが言った。



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