彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
その日は、朝日がキレイだった。
オレンジの光に照らされる中、私達はラブホテルの前で別れた。
「2人で行動するのは良くないから・・・別々に逃げましょう?」
「わかりました。」
ミクお姉さんからの提案に同意した。
だってそうしないと、私付きでフェリチータに帰ったら、瑞希お兄ちゃんに戻れないもんね。
私も、菅原凛に戻らないといけないから立ち寄ることは出来ない。
「バイク、私が使ってよかったの?」
「もちろんですよ。」
帰りの足として、バイクを瑞希お兄ちゃんに譲ったら遠慮された。
だけど、レディーファーストを強調して、早く帰宅できるようにと同意してもらった。
ただ、ガソリン残高を心配したところ、途中で迎えと合流するので心配ないと言われた。
きっと、烈司さんあたりが迎えに来るのだろう。
私も両親が起きる前に、着替えて帰りたかったのでヤマトを呼んだ。
迎えが来ること伝えれば、やっとミクお姉さんも安心してくれた。
(噂のラブホテルで、無事に一晩過ごせてよかったけど・・・)
「すみませんでした。」
「え?」
「お金を出して頂いて・・・」
自分の分は出すと言ったのに、ミクお姉さんは私の分のホテル代と着ぐるみ代を払ってくれた。
気まずい私に、優しい笑顔でお姉様は言った。
「いいのよ。大人の甲斐性だから気にしないでね?」
「そうはいきません!必ずお返ししますから!」
「ばかねぇ。こういう時は黙っておごられなさい。子供なんだから。」
クスクス笑いながら、私の前髪をかきあげる。
その仕草にドキッとする。
「・・・・また、お会いできますか?」
瑞希お兄ちゃんの女装、思っていたよりもキレイ。
そんな私に好きな人は手を伸ばすと―――――
「ばーか。」
ピン!
「痛い。」
「もっと良いオトコになりなさい。」
軽くデコピンする。
そして、笑顔を浮かべながらバイクにまたがった。
「ミクお姉さん!」
「ばいばい、蓮君。」
ババババババ!!
私に向かって片手を上げると、あっという間に走り去ってしまった。