彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「うははは!わかるわぁ~!怖いもんなぁ~!」
(そんなに嫌なんだ・・・)
私も怖くないと言えばうそ卯になるけど、勉強を教えてる時の獅子島さんはそこまで恐ろしくはない。
緊張はするけど・・・
「慣れればみなさんも、獅子島さんがいいって感じると思いますが・・・」
「どんな嫌がらせだよ、凛道!?瑞希先輩じゃなきゃ、ごめんだね!」
「俺も無理無理。あの人、凛君にはまだ情があるけど、俺らには情け容赦なしだろう?」
「絶対それだ!俺なんか馬鹿だから・・・徹底的にいたぶられるぞ・・・!!」
「龍星軍の元副総長だからな・・・」
「俺もNG系~!パネェでしょ!?」
「あたしも聞きずらいわ・・・」
「大丈夫だよ!みんな聞きずらいって!」
「うははは!」
「・・・そこまで言うなら、もうお勧めしませんが・・・」
みんなからの多数決を受け、獅子島先生の案を却下する。
「獅子島さんがいれば、絶対に早く終わると思ったんですけどねー・・・・」
「しつこいぞ、凛道!仮にも初代の先輩に、こんなことぐれーで面倒かけられるか!?自力で解決してやるよ!」
「そうは言っても円城寺君、さっきからページが進んでませんが・・・手伝いましょうか?」
「う、うるせぇ!迷走してただけだ!」
「その問3は、この方程式で解けますよ?」
「おお!?そうか、これか!?これで解け・・・・だっ、誰が教えろって言った!?大きなお世話なんだよ!」
「あと、問1ですけど、間違えてますよ。」
「マジで!?なんでだ!?」
「だって、これは~」
「あーあ。何やかんやで、凛道君に聞いてるぜ、大河の奴。」
「けっ!俺は絶対に聞かねーもん・・・」
「悠斗、そこ間違えてるぞ。」
「ま、まじかよ、カンナ!?さすがだな?」
「褒めるなら凛にしろ。あたしも凛に教えてもらったからな。」
「ぐおおおおお!?」
「うるせぇーぞ、悠斗。」
「ふふふ・・・なんとかは醜いと言いますが・・・」
「うははは!シットやろ~?」
「ウェイウェイウェイ!発音鬼ヤバでしょ!?」
順調に進み始めた勉強会。
(これなら、新学期に間に合うかな?)
そんな思いで見守っていたのだが、現実は計画通りには進まない。