彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)



自分への疑惑をスルーして、仲間達へと言った。



「僕に判る範囲で教えますから、質問があったらして下さいね。」

「じゃ、じゃあさ・・・あたしに数学教えてくんねぇ?」

「もちろんですよ。」

「凛さん、俺も!英文がどうも苦手で・・・」

「リンリン、俺歴史がわかんなーい!古文も、数学も、物理も、化学もわかないよぉ~!」

「凛道に教えてもらうとは・・・」

「屈辱っ・・・!!」

「嫌なら聞かないでくださいよ!」



円城寺君と悠斗君の文句に呆れながら返す。



「そうだぞ!嫌なら帰れ、オメーら!凛、早く教えてくれよ!ここわかるか?」

「ああ、この問題ですか?これはね・・・」



カンナさんからの援護射撃もあり、勉強モードのスイッチを入れる。

そんな私を見て、真面目に勉強を始める者。

質問の順番待ちをする者、恨めしい目で見る者と・・・さまざまだった。



「・・・ということです、カンナさん。わかりましたか?」

「バッチリだ!すごいな、凛は?」

「ありがとうございます。」

「マジで、教え方上手だよな~?かてきょのバイトできるんじゃねぇか?」

「それは褒めすぎですよ。僕よりも、獅子島さんの方が上手いですよ?」



「「「「「えっ!?」」」」」



そう言えば、ヤマト以外が声をそろえてギョッとする。



「うはははは!あの人、教えるタイプかいな~!?」

「見かけによらず。学校の先生をしても良いぐらいですよ。そういえば今日、獅子島さん、お店にいるはずですよ。僕が嫌なら、獅子島さんに勉強を教えてもらえないか頼みましょうか?」



大口開けて固まる仲間達に笑顔で伝えれば・・・



「「「「「「遠慮します。」」」」」」



関西人をのぞく全員が、敬語で断ってきた。



〔★全員拒絶した★〕



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