彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「うははは!バイクやったらあかんのですか~!?それなら、わしらすぐに運転手できまっせ!」

「あいにく、シゲ先生が往診する時に持ち歩く医療器具と薬は多くてな。単車じゃ乗り切らない。あと、車と違って仮眠とれないだろう?」

「つまり、それだけの人数を見てるんですか・・・」

「うははは!そらあかんわ!睡眠は大事やからな~!」



あのお年でそれだけ患者さんを抱えてるなんて・・・・

それだけ優秀ってこと?

頼りにされてるってこと?

うん、頼りたくなる気持ち、わかるわ・・・

理想の老い方だもんね。



〔★凛のシゲ先生への友好度が上がった★〕



「俺、風呂に入ってくるけど、お前らどうする?」



表の出入り口をしめながら、瑞希お兄ちゃんが聞いてくる。



「あ・・・!か、か、か、帰り、ます・・・・!」



血を吐くような思いで伝える。

本当なら、もうちょっと・・・他の先輩達が帰ってくるまで、瑞希お兄ちゃんと一緒にいたかったけど・・・!



(好きな人が尊敬するお医者さんに忠告された手前、逆らうことは出来ない・・・)



いうこと聞かなければ、瑞希お兄ちゃんの私への印象が悪くなっちゃうもん。



「わかった。」



私の返事を聞き、瑞希お兄ちゃんは言った。



「俺が風呂から出たら、一緒に飯食うか、凛?」

「え!?」

「シゲ先生の診断は、真田瑞希が凛道蓮にかまうことだったからな。冷凍品になるけど、いいよな?」

「お、お兄ちゃん・・・!」

「凛のブラコン、満たしてやらないとな?」



意地悪く笑う瑞希お兄ちゃんに、ハートが射ぬかれる。

天使のような小悪魔な彼に、愛しい気持ちが止まらない!



「もちろんです!僕、すぐ食べれるように用意しておきます!」

「温めるだけからすぐだろう~?とりあえず、パスタの気分だから、カルボナーラな?」

「はい!!」

「瑞希はーん!わしもわしも!」

「おう、好きなのを食え。飯の用意、頼んだぞ?」

「「はーい!」」



瑞希お兄ちゃんの言葉に笑顔で答えれば、同じ顔で返してくれる。

そしてそのまま、住居スペースへと入って行った。



(よかった~このまま、すぐに帰らされるのは、何としても避けたかったのよねぇー)



ホッとしながら、ご飯の用意に取り掛かろうとした時だった。





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