彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「あ!?あかんがな!」

「え?」



お兄ちゃんが視界から消えた直後ヤマトが叫ぶ。



「腹へっとったから、食わせて言うたけどあかんがな!」

「ヤマト、冷凍のタコ焼きならありますよ?」

「そうやないねん!」

「お好み焼きも入ってますよ?」

「せやから、大阪の食べ物ちゃうねん!凛と瑞希はん、2人きりにしてやらんとあかんかったのに、今のでそれをダメにしてもーたやん!?」

「えっ!?」



思いもよらなかったヤマトの言葉。

驚いて固まれば、パンと両手を顔の前で会わせながら関西男子は言った。



「すまん、凛!わし、ちょっと席はずしたるわ!帰る頃に、携帯に電話しーよ!迎えに来るさかいな!?」

「ええ!?あ、あの、待って下さい!」



素早く立ち上がった友達のズボンをとっさにつかむ。



「ここにいていいよ、ヤマト!」

「あほ!せっかくの2人っきりタイムを邪魔するほど、関西人はヤボやない!」

「いや、そんな!気持ちは嬉しいけど・・・」



彼の気遣いは嬉しいけど。



「ヤマトを仲間はずれにするみたいでいやだよ。」

「なにゆーてんねん!?気にすんなや!友情よりも愛情やぞ!?」

「だからって、それでヤマトを空腹にさせるのは嫌です!大事な親友なのに・・・」

「凛・・・!」

「そ、それに!瑞希お兄ちゃんと2人だけだと・・・きっと、時間を忘れちゃう。あとちょっとだけ、ちょっとだけって思いながら、彼に甘えちゃって・・・長居しちゃう。早く帰れなくなるから・・・・」



照れる思いで伝えた。





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