彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




耳にイヤホンを装備し、コントローラーを操作する。



(やっとクリアできた。)



攻略成功に、無言のガッツポーズを取るのは地味な女子高生・菅原凛。

フェリチータでシゲ先生の出張診察を受け、瑞希お兄ちゃんとのささやかなLOVEタイムを過ごし、彼への未練たらたらで自宅へと帰ってきた。

途中、凛道蓮から菅原凛に戻るために、ヤマトの家で着替えてからの帰宅だった。

親には夕食は済ませたと伝えてからお風呂に入り、その後は部屋にこもって、フルスピードで塾の宿題をする。

その勉強の合間の息抜きとしてゲームをしていた。



(少しずつだけど・・・どちらのゲームも、やり方がわかってきた。)



やっているのは、大好きな瑞希お兄ちゃんからプレゼントされたゲーム!

男らしさをみがくためにと送られた品物。

私のために、ドラクエとかギャルゲーとか用意して下さるところに惚れ直しました!!

ゲームをする習慣がなかったけど、やってみたら面白かった。



(やったら、やった分だけきちんと成果が出るから楽しい。)



ゲームをするのは自分の部屋だけと決めていた。

盗聴器があるので本当は嫌だけど、他の部屋だと両親に見つかった時にうるさい。

特にお父さんに見つかったら、とられる可能性があった。

だから音がもれないように、イヤホンを使ってゲームをしていた。

自分の家でコソコソするのも変だけど、隠れながらゲームの上達を目指していた。



(説明書があるって便利ね~!ゲームしなくても、内容がわかるもん!)



〔★それではゲームの意味がない★〕




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