彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)
「スノードロップと弟切草の花の妖精に魅入られた俺を、怖がらないで好いてくれてることが嬉しい・・・。」
「次見つけたら、押し花にしましょう!」
「ぷっ!ドンだけでかい押し花を作る気だよ~?」
ははは!と笑いながら、自分が座っているソファーに私を引き込む瑞希お兄ちゃん。
彼の膝に乗る形で、ギューと抱きしめられる。
湯上りの彼の香りにくらくらしながらも、ラッキーと思いながら強く抱き付いた。
(・・・これだけ甘えられたら、早く帰っても割に合うかな・・・?)
甘えるようにすり寄れば、よしよしと頭を撫でてくれた。
(ああ、幸せ・・・!)
今、この瞬間はまさに、2人のためだけにある世界よね。
「うははは!兄弟仲良くはかまへんけど、チンした料理がさめる前に帰ってきてや~?」
「「あ。」」
ヤマトの言葉でギクッとする私と、我に返ったような顔をする瑞希お兄ちゃん。
「2人の世界から、お帰りでっか?」
「ば!?ばか言ってんじゃんねぇーよ!凛、食うぞ!」
「あ!?お兄ちゃん!?」
私を膝からおろすと、さっさと料理が並ぶつくへに行ってしまう。
「待って下さい!」
置いてかないで~!
急いで彼の後を追いながら、やはりヤマトを排・・・ヤマトの善意を受けるべきだったと思う。
(でも・・・・・いなかったら、帰る時間が遅くなってたわけだから・・・)
「・・・・・これでよかったってこと・・・・?」
「うははは!なんや、凛?グラタンが良いって言ったのは凛やないかー?嫌になったんか~!?」
「仕方ねぇな・・・!俺のパスタと交換してやろうか?」
「ち、違います!大丈夫です!食べ物のことじゃないので!」
「じゃあ、なんだよ?」
「・・・・・いろいろと・・・・」
「うはははは! 思春期やねん、瑞希はん!察したってーや!」
「ふーん。」
ヤマトの言葉に何を思ったのか、それ以上の追及は彼から来なかった。
やっぱり私は、友情よりも恋愛が大切なのかもしれないと思った。
〔★凛のLOVEタイムは終了した★〕