明日死ぬ僕と100年後の君
それに死ぬ予定じゃなかったなんて、一体誰がそんなことを言うというのか。
生死の予定を決められるなんて、そんなことが出来るとしたら、存在もあやふやな神様くらいなものだろう。
もういい、帰ろう。
わざわざつらい場所で、つらいことを話す必要はないから帰ろう。
そう言おうとしたけれど、有馬は雑に猫の頭を撫でながら続ける。
「予定にないのに死んでもらっちゃ困るからって、ふたつのものを押しつけられた。ひとつは1日分の命」
「有馬……? ねぇ、さっきから変なこと言ってるよ」
「もうひとつは、人の命を奪う力」
心臓が大きく跳ねた。
脳裏に浮かんだのは、商店街の代表から浮き出てきた光る玉。
さっき施設の職員からも、同じものが出てきたのを確かに見た。
商店街の人のものとは、微妙に色合いがちがった気もするけれど、たぶん同じものだった。
音もなく浮き出て、ふわふわと宙を泳ぎ、有馬の手に収まったもの。
そして有馬は、それを飴玉でも舐めるように口に放り込んだのだ。
あれが、人の命……?