明日死ぬ僕と100年後の君
お母さんは仲の悪いおばあちゃんの、老後の面倒を見る気はあるんだろうか。
わたしも年をとったら、誰かに怒鳴られながら、日々肩身の狭い思いをして生きなくちゃいけなくなるんだろうか。
「……ひいばあ、つらくない?」
しわしわで骨ばっているけど温かい、小さな手を握って問いかける。
もう何度も、こうしてふたりきりの時に問いかけている。
でもひいばあから返ってくる答えは、いつも同じ。
「お腹すいたぁ」
この返事を聞くといつもちょっと笑ってしまうけど、すぐに気持ちが沈む。
ひいばあが「つらい」と答えた時、わたしはどうするんだろう。
この狭くて古い家は、わたしにとって人生の縮図だ。
どうして生きているんだろう。
どうして生きなきゃいけないんだろう。
生まれることは、参加したくもない耐久レースに、問答無用で放り込まれるみたいなものだ。
未来に希望なんて持てない。生きがいなんて幻想だ。
わたしは生きていくことに、17歳にして疲れていた。