エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
コンシェルジュさんに案内され着付けサロンに着くと先に着いていたお義母さんと美玲さんが着物の着付けを始めていた。

私と聖さんはふたりに挨拶をして私の着付けの番が回ってくるまで隣の個室で待つことになった。

「紗凪は今日、何色の着物を着るんだ?」

隣に座る聖さんがそう言って私の顔を覗く。

「私は淡い桜色の色留袖を着ます」

「そうなのか。紗凪の着物姿は初めて見るから楽しみだ」

聖さんがそう言ってニコリと笑った。

お義母さんと話し合って、お義母さんは薄い水色の吉祥文様の色留袖を、そして私は桜色の色留袖を、そして美玲さんは淡い黄色地にピンクや水色や緑の花々があしらわれた可愛らしい着物を着ることになっている。

ープルルルル

聖さんとあれこれと話をしていると、部屋に響いた私の携帯の着信音。鞄の中から携帯を取り出して相手を確認した。

「あっ、お母さんからだ。すみません。私、ちょっと電話して来ます」

「ああ。分かった」

私は聖さんにペコリと頭を下げてその部屋を出た。
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