エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
迎えた翌日。気だるい体を起こして部屋のカーテンを開けて空を見上げた。私の気持ちとは裏腹に真っ青な空が広がっている。緊張のせいか何故か心がそわそわして落ち着かない。

「そろそろ準備を始めなくちゃ……」

言い聞かせるように私はゆっくりと動き出した。シャワーを浴びて気持ちを少し落ち着かせてから母が用意してくれていた朝食を軽く摘まんだ。

そして髪のセットをしてもらうために母の行きつけの美容室へと向かった。

美容師さんに着物の着付けをしてもらいながら話を弾ませる母の横、紺色のシックな膝丈Aラインワンピースに身を包み、明らかに引き攣り気味の作り笑いを浮かべながら髪の毛をセットしてもらっている私がそこにいる。

こんなんで私は今日という日を無事に乗り切る事ができるんだろうか?
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