エリート弁護士は契約妻への激愛を貫きたい
東條さんのマンションは都心の一等地にあるセキュリティ抜群でコンシェルジュが常住するスタイリッシュな高級マンションだ。

地上四十階建てでダークグレーを基調とした全面ガラスウォールの都会的な造りになっている。

マンション内には居住者専用のスポーツジムやプール、ラウンジやプライベートガーデンなど様々な設備が充実している。

高層階にある東條さんの部屋からは都内が一望でき、とても贅沢な空間だ。

1DKの単身用アパートにしか住んだ事がない庶民の私からしたら何もかもが規格外で少々、いやかなり身構えてしまう。

「さぁ、どうぞ」

「あ、ありがとうございます」

数分後、キッチンから戻った東條さんが淹れたての紅茶を運んできてくれた。花柄がモチーフなマイセンの高級カップとソーサー。カップに注がれたその紅茶になんだか恐縮してしまう。

「紅茶は嫌いか？」

「いえ、いただきます…」

その躊躇は目の前に腰を下ろした東條さんにも伝わってしまっていたらしい。
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