綺麗なブルーを描けません
「で、すぐに行ってくれってことで、慌ててとりあえずの荷物を送りつけて、やってきたとこなんだ」

「って、じゃあもう。今日からずっと居られるんですか!?」

「うん」

うっ、嬉しすぎる…

まだまだ先の予定だったから、それまでずっと寂しいのかと思ってたのに。

「…なんで、引っ越したとこ、教えとく」

「今、向かってるんですか?」

「そう。…地下鉄乗ったほうが早いけど、歩けないこともないから」

「…そんなに近くなんですか?」

「…適度に」

「適度?」

「学生が、学校の近くに家を借りちゃうと、来てほしくもないのに、友達らしき人たちに面白がってどんどん来られちゃうじゃん。

でも、電車に乗っていかないといけない距離だと、ちょっと面倒だから、大して仲良くないヤツまでやたら来られてしまうことはないじゃん。

…そんな感じの距離」

なるほど、程よい距離だな。

…でも、それって、この場合、あたしに来られたくないってことにならないか?

「柚葉さんの会社は近いんですか?」

「う…ん。さっきの駅から電車乗るかな…30分くらいかな」

…通勤するには近いけど、会社に行くための引っ越しなんだから、もう少し近くにすればいいのに。

まあ、家賃とか、その家の周りの雰囲気とか、いろいろあるかな。

「…いつも訊いて怒られそうだけど、柊は、元気?」

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