綺麗なブルーを描けません
何で、どうしてそれが、ツクリモノだとバレたのか。

「...あきらかに、いつもと違うでしょう。低っくいテンションでギリギリ生きてる感じの江間(エマ)さんが、大好きなビールを飲んだくらいで、『美味しい』とか、叫ばないでしょう、普通」

ああ、バレてるんだ。

いろいろバレてるんだ。

...ちょっと待て、別に叫んでなんかないけど。まあいいか。

「さっき、時間確認したんだよ。柚葉さん、彼女にプロポーズする予定時刻まで教えてくれてさ、今まさにその瞬間なんだよ」

言ってから、何にも説明してないことを思い出す。

だけど、

「江間さんが柚葉さんのこと好きなことは知ってたよ。柚葉さん、意外に意地悪だな。それか、おそろしく鈍感な上に、江間さんとただただ、すごく気が合うって思い込んでるだけなのか」

いろいろ悟ってくれて、ありがたい。


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