綺麗なブルーを描けません

「そういえば、いつもと違うかも。…なんか、凄く…優しいです」

「…それは、いいことなんじゃないの?」

「…ちょっと待ってください。…優しい…?何か、これ、危険だったような気がするんですけど」

あたしは、考える。

普段から、優しいから、よくわからないけど、やたら、優しいことが前にもあった気がする。

やたら構ってくれて、気を回してくれて。

それが、周りの人全部にやっちゃうもんだから、会社の女の子はかなりの確率で、柊くんのファンになっちゃってた。

凄ーくモテてて、凄ーく、あたしに対する風当たりがツヨかったのを覚えてる。

あの時って、

なんかおかしいって思って、捕まえて話を聞いたんだった。

…あ。

思い出して、何だかぞくっとした。

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