綺麗なブルーを描けません
「…何なんだろ、あれ」

呟いて、柚葉さんを見る。

と、手から、紙を奪われて、

「…ここ、分かるかも。今日連れて行ってもらったとこの一つに近い気がする。…行ってみる?」

心配そうな表情の、柚葉さん。

「どうして?」

訊くと

「ああん?心配じゃないのかな~?」

ちょっと怒られた。

「柊のこと、好きじゃないのか?」

あたしは、考える。

「ええと。大好き」

「じゃあ、助けてあげたらいい」

「でも、あたしが踏み込んでいいことじゃなくない?」

「もう既に、関係ない人が踏み込んでるじゃん。あいつ…何か、気に入らない」

柚葉さんがそんなことを言うのを、初めて聞いた。

そうか、柚葉さんも、気に入らないのか。

あたしも、すこぶる気に入らないんだけど。

「そこまで一緒に行くから」

「…」

「あのさ、ここはエマが行かないといけないんだと思うよ」

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