センパイの嘘つき
お昼を食べ終わって、携帯を開く。
それでもやっぱり既読にはなってなくて。
「柚月、大丈夫?」
「うん…」
「噂、鵜呑みにしないでね」
「…わかってるよ」
学校の有名人である先輩が1週間も休んでることで、よくない噂がたくさんたった。
重い病気にかかって入院してる、暴力を振るった、女と遊び歩いてる…
もちろん信じるつもりはない。先輩はそんな人じゃないって分かってるから。
その時、やばい!と声を上げながら廊下を走っていく女子たちが目に入った。
それに続くように沢山の女子が興奮気味にはしゃぎながら廊下を通り抜けて行く。
「なんだろね、騒がしい」
咲もそれにつられるように立ち上がる。
「早く早く!」
廊下を覗く私たちの前を通った女子の声が耳に入る。
「柳先輩が来たって!」