センパイの嘘つき
周りの女の子たちにニコニコと笑っていた先輩が、ふと、視線をこちらに向けた。
それだけで、ドキリとする。
目があって、どんな顔をしていいか分からなくなった。
「あ…」
ごめん、ちょっとまってね。
そう言って先輩はこちらに向かってくる。
「おいで」
そう一言いって、私の腕を掴んで歩き始めた。
「あ、の…先輩」
「ごめんねー、柚月ちゃん、1週間もほったらかしにして」
いつもより強い力に戸惑いながら、私は必死に先輩に着いていく。
「いえ…えっと、風邪だったんですか?」
「んー?いや、ちょっとサボってただけ」
着いたところは保健室だった。
先輩は扉を開けて、中に入る。
里美ちゃんは、いなかった。