天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



泣きそうになったのか、わたしたちから背を向けてしまった唯乃さん。

そんな姿を見て、天ヶ瀬くんが何か話そうとしたけど。


「唯乃……」

「……やめて、今は何も聞きたくないから」


そう言うと、わたしたちの元を去っていった。


去り際にわたしたちに向かって。


「バカ同士仲良くやってなさいよ、バーカ」

何もそんなにバカって言わなくても。


残されたわたしと天ヶ瀬くんは、いつまでも病院の中にいるわけにもいかないので、外に出て近くにあった公園のベンチに腰掛けた。


一度にいろんなことが起こりすぎて、整理しきれていない。

そんな状態で天ヶ瀬くんと2人っきりになって、何を話せばいいかもわからない。


ずっと黙り込んでいると、天ヶ瀬くんが驚くことを口にする。

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