天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



そう、わたしなんかが昨日、あんなことをしなければ、あの子は今日も幸せそうに笑っていただろうに。


「お前まさか……」

昔から愁桃は勘がいいから、もうわかっちゃっただろうな。


「そのまさか」

「っ!」


そのまま、教室に入ろうとしたのに、
グッとわたしの手首を掴んだ。


振り返ってみると、そこには見たことない表情をしていた愁桃がいた。


こいつが、こんな風に顔を歪めて、余裕なさそうにしているのは初めて見たかもしれない。


「……なんでだよっ!お前他の女たちとは一緒にされたくねーって」


そうだよ、他の子たちと一緒になんかされたくなかった。

だから、他の子とは違う方法を取ったんだよ。


"好きにならない自信ある"なんて。
ありえない、方法で。

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