守りたい人【完】(番外編完)
悪戯っぽく笑って、無視を決め込む朝比奈さんの顔を覗き込めば、逃げるように体の向きを変えられた。
照れてるんだと分かって、愛おしさが込み上げる。
「照れてます?」
「うるさい」
「あ~照れてる!」
「さっさと仕事しろ」
「ふふっ、分かりましたよ」
ケラケラと笑って、大きく背伸びをする。
相変わらず、ぶっきらぼうな物言いだけど、こうやって冗談も言い合えるようになってきた。
好きな気持ちはそれと一緒に、どんどん増えていく。
それでも、この関係を壊したくない。
それに、朝比奈さんは私の事なんて何とも思ってないだろうから、完全なる私の片思い。
そりゃ、先の事を考えると落ち込みそうになる。
いつかは、みんなここを出ていくと思うから。
だけど、そんな事考えていても仕方ないし、今はこの時間を精一杯楽しみたい。
だから、この気持ちは私の胸の中に閉まって温めておく。
今すぐどうこうとか、そんな事考えられないし。
「志穂ちゃ~ん」
朝比奈さんの黒い髪が揺れる様子を盗み見していると、まったりした声が聞こえて振り返る。
すると、両手にパンを沢山抱えたたままの鍛冶君がニコニコ顔でこっちに駆けてきた。
照れてるんだと分かって、愛おしさが込み上げる。
「照れてます?」
「うるさい」
「あ~照れてる!」
「さっさと仕事しろ」
「ふふっ、分かりましたよ」
ケラケラと笑って、大きく背伸びをする。
相変わらず、ぶっきらぼうな物言いだけど、こうやって冗談も言い合えるようになってきた。
好きな気持ちはそれと一緒に、どんどん増えていく。
それでも、この関係を壊したくない。
それに、朝比奈さんは私の事なんて何とも思ってないだろうから、完全なる私の片思い。
そりゃ、先の事を考えると落ち込みそうになる。
いつかは、みんなここを出ていくと思うから。
だけど、そんな事考えていても仕方ないし、今はこの時間を精一杯楽しみたい。
だから、この気持ちは私の胸の中に閉まって温めておく。
今すぐどうこうとか、そんな事考えられないし。
「志穂ちゃ~ん」
朝比奈さんの黒い髪が揺れる様子を盗み見していると、まったりした声が聞こえて振り返る。
すると、両手にパンを沢山抱えたたままの鍛冶君がニコニコ顔でこっちに駆けてきた。