クールな御曹司の契約妻になりました
二階堂グループが経営する高級ホテルに到着して2時間。
白無垢に綿帽子を被った花嫁が出来上がった。
桜の刺繍が散りばめられた白無垢はずっしりと重たくて、この結婚の重さを嫌でも思い知らされている気がしてしまう。
スタイリストも大満足の表情を浮かべて、見せてくれた鏡をさっきから何度も見ているけれど、鏡の中に居る花嫁は、なんだか私ではない別人みたいだ。
「すまない。遅くなってしまった!!」
突然、控室の扉が勢いよく開かれると、艶やかで透き通る低い声が控室に響き渡る。
勢いよく、飛び込んで入ってきたのはスーツ姿の高身長の男性だった。