クールな御曹司の契約妻になりました

「香穂ちゃん?」


一人になった私にかけられた声は、どこか懐かしい可愛らしい声だった。

「奈々未さん?!」

同じ大学で1歳年上の奈々未さんだった。

大学生の頃、バイトしていた飲食店も同じだったから自然と仲良くなって、私が秘書の資格を取るって話をした時には、たくさんアドバイスしてもらったんだ。

奈々未さんが卒業してから、ほとんど連絡を取り合うこともなくなっていた。

何度かメールはしてみたけれど、きっと新生活や仕事で忙しかったのだろう。
なかなかメールが返ってくることはなかったんだっけ。



きらびやかな会場では目立たない大人しめの花柄のワンピースは、小柄な奈々未さんにとてもよく似合っていて、可憐なイメージをさらに引き立たせている。

茶髪にボブスタイルという髪型は、大学の頃と変わっていなくて、全く違う世界で少し孤独すら感じていた私はなんだかちょっとだけ嬉しくなってしまう。

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