君とチョコと花束と
「じゃあ今から付き合うってことでいいんだよな?」
「うん!お願いします。」
「じゃあ、はい、これ。薔薇の花。」
薔薇の花を差し出すと渡辺くんは真剣な顔になって、
「『あなただけを愛しています。』
ははっ、照れるなこれ。」
言い終わるとニカッと笑ったのだった。
愛してます。
なんて面と向かって言われるこっちも照れる…!
鏡見なくても顔が赤いのがわかるよ。
「ありがとう!あのね、私もこれ。バレンタインにチョコ作ったの。」
「おー!ありがとな!味わって食べる!
あ、あとカレカノになるんだから、これからは名前呼びな!俺もそうするから。
よろしくな、愛梨。」
そう言ってキラキラした瞳で見つめてくる渡辺くん。
え!
名前呼びはハードル高いような…
でも渡辺くんも私の名前を呼んでくれてる。
たしかに嬉しいかも。
私も頑張らなきゃ!
「よろしくね、ち、ち、千尋くん!」
「かわいい!ちょっとずつ慣れていけばいーよ。先は長いんだから。」
そう言って渡辺くん、いや、千尋くんは私を抱きしめたのでした。
Fin.