君とチョコと花束と
「ち、違うの!私も渡辺くんが好きなの!」
「…え、まじで?!」
驚いて涙を拭く手を止める渡辺くん。
「まじです…。
私も今日渡辺くんに告白するつもりだった。でも朝薔薇の花を見ちゃって。それで、失恋したと思って。」
「なんだ、そうだったのか〜!俺めっちゃ取り越し苦労じゃん!朝イチで告ればよかった!」
「私こそ朝渡せばよかったよね。ごめん。」
「それにさっきさ、吉岡チョコ渡しに行くって言ってなかった?」
「そ、それは、泣き顔を見られたくなかったから。」
「そっかそっか。いや〜、まじでよかった!
成功したらどうしようって内心焦ってた。」
満面の笑みの渡辺くん。